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おじさんのパソコンと笑われても潰れない—Let’snoteが生き残り続ける本当の理由

「会社で使ってるから同じの買いに来ました」

「大学の生協で買わされたんですけど、これ使いやすいですか?」

売り場でLet’snoteを買いに来るお客様は、たいていこの二種類です。

自分の意志で選んでいる人がほぼいない。これが今のLet’snoteの現実を物語っています。

NEC・富士通・Dynabook・VAIOと違い、Let’snoteはLenovo傘下にも鴻海傘下にもなっていない。パナソニックが自社でメイドインジャパンを守り続けている数少ないブランドです。その矜持は本物なのに、なぜか若者に嫌われる。この矛盾を正直に話します。

Let’snoteが今も生き残れる理由——事業基盤の強さ

まず率直に言います。Let’snoteはNEC・富士通・Dynabookとは根本的に立ち位置が違います。

NECはLenovo傘下、富士通もLenovo傘下、DynabookはシャープとともにFoxconn傘下——日本のパソコンブランドが次々と海外資本に飲み込まれていく中で、Let’snoteはパナソニックが自社事業として継続しています。

Let’snoteが事業を維持できる理由
法人・官公庁との深い取引関係:中央省庁・地方自治体・大企業との長年の法人契約が、安定した売上基盤を作っている。コンシューマー向けが不振でも、法人向けが支えているため事業撤退のリスクが低い。

国内生産へのこだわりが法人受注の武器:特に官公庁・防衛関連では「国産品であること」が調達条件になるケースがある。メイドインジャパンは単なるブランドではなく、受注条件としての実用的な価値を持っている。

修理・保守サービスの充実:パナソニックの法人サポート体制は国内に整備されており、「故障時に国内で迅速に対応できる」という点が法人顧客に評価されている。

要するにLet’snoteは、コンシューマー向けの販売台数で稼ぐビジネスモデルではありません。法人・官公庁との継続的な取引関係で事業を維持している。これが「量販店でほとんど見かけなくなっても撤退しない」理由です。

メイドインジャパンへのこだわりと修理しやすい設計思想

Let’snoteは現在も神戸工場(兵庫県神戸市)で国内生産を行っています。これはVAIOの長野工場と並んで、日本のPCメーカーの中で数少ない本物のメイドインジャパンです。

そしてLet’snoteには、長年培ってきた独自の設計思想があります。

Let’snoteの設計思想——修理・保守のしやすさ
Let’snoteを分解した修理担当者が口を揃えて言うのが、「基板へのアクセスがしやすい」「部品交換がやりやすい」という点です。

薄型・軽量・スタイリッシュを追求するあまり、修理が困難になっているパソコンが増えている中で、Let’snoteは「長く使える・直せる」という実用性を設計の優先順位に置いています。

バッテリーの着脱・交換がしやすい構造、ネジ止めによる分解のしやすさ——これは法人顧客が5年・10年単位でパソコンを運用することを前提とした設計です。

MacBookやSurfaceが「薄さのために修理困難な構造」になっているのとは対照的です。接着剤で固定されたバッテリー、専用ドライバーが必要なネジ、分解するだけで壊れそうなパーツ——そういう設計思想とLet’snoteは一線を画しています。

「長く使う」「直して使う」——この考え方は環境的にも正しいし、コスト管理を重視する法人にとっても合理的です。ただし、その代償がボディの厚さと重さとして現れています。

Let’snoteの「闇」——デザインが30年止まっている問題

ここから正直に言います。

Let’snoteのデザインは、ほぼ30年止まっています。

1996年に登場した初代Let’snoteから、基本的なデザイン言語はほとんど変わっていません。シルバーのボディ、丸みを帯びたコーナー、あの独特の天板のリブ形状——。

これを「伝統」と見るか「時代遅れ」と見るかで、Let’snoteへの評価は真っ二つに分かれます。

若い人がLet’snoteを敬遠する理由
「おじさんのパソコン」というイメージが定着:見た目だけで「これ会社で使うやつ」「公務員が持ってるやつ」という印象を与えてしまう。カフェやキャンパスで広げたいパソコンとは真逆のデザイン。

MacBook・Surfaceと並べると世代が違いすぎる:同じ価格帯でMacBook ProやSurface Laptop、Dell XPSと比較したとき、デザインの洗練度で圧倒的に見劣りする。

薄さ・軽さで負けている:修理しやすい設計の裏返しとして、ボディが厚い。MacBook AirやSurface Laptopと並べると、その差は一目瞭然。

売り場でLet’snoteを触った若いお客様の反応は「え、これいくらするんですか?(価格を見て)……なんでこのデザインでこの値段?」というパターンがほとんどです。デザインと価格のギャップで離脱してしまう。

あの丸いトラックパッドは2026年に許されるのか

これ、地味に重要な問題なので真剣に取り上げます。

Let’snoteのトラックパッドは、独自の円形デザインを採用しています。

2026年現在、Windowsパソコンのトラックパッドは横長の大型パッドが主流です。MacBookの広大なトラックパッドに慣れたユーザーや、最新のWindowsノートで大型トラックパッドに慣れたユーザーが、Let’snoteの丸いトラックパッドを触ったときの反応は毎回だいたい同じです。

「え、使いにくい」

Let’snoteの丸型トラックパッドのこだわり

パナソニックは「円形トラックパッドは全方向に同じ操作距離で動かせるため疲れにくい」という理念でこのデザインを続けています。

確かに理屈は分かります。でも2026年の現実として、大多数のユーザーは横長トラックパッドに慣れきっています。どれだけ理屈が正しくても、使い慣れていないUIは「使いにくい」と感じさせてしまう。

これをありがたく使いこなせるのは、長年Let’snoteを使ってきたユーザーか、よほど適応力の高い方だけだと売り場の経験から感じています。

パナソニックのこだわりは分かる。でも「ユーザーが慣れてくれる」と思い続けているとしたら、それは少し傲慢かもしれません。伝統と固執の境界線は難しいですが、トラックパッドに関しては見直しを検討してほしいと個人的には思っています。

生協モデル採用という構造的な問題

Let’snoteが若い世代に嫌われるもう一つの理由が、大学生協モデルです。

全国の大学生協でLet’snoteが推奨モデルとして採用されているケースがあります。入学前に「大学からの推奨PCリスト」に載っていて、半ば強制的に購入させられた——という学生が毎年一定数います。

大学生協モデルが嫌われる構造的な理由
選ぶのはおじさん(購買担当者):生協のPC選定は、学生ではなく大学の購買担当者や教職員が行うことが多い。「昔から使ってきた」「法人取引がある」「サポートが安心」という理由でLet’snoteが選ばれる。学生の好みは反映されにくい。

付き合いとしがらみ:長年の取引関係や担当者の人脈で選定が行われることも少なくない。純粋に「学生に最適なPC」として選ばれているわけではない場合がある。

学生視点では割高・デザイン古い:同じ予算でMacBook AirやSurface Laptopが買える中で、デザインの古いLet’snoteを押しつけられた感を持つ学生は多い。

売り場に「生協で買ったLet’snoteなんですが……」と相談に来る学生の顔は、だいたい複雑な表情をしています。嫌いではないけど好きでもない、使いにくくもないけど納得もしていない——そんな感じです。

Let’snoteにとって生協チャネルは安定した販売先ですが、「若い世代に嫌われるブランドイメージ」を強化してしまうという副作用もある。長期的にはプラスなのか疑問です。

Let’snoteの本当の強みと価格の現実

批判ばかりでは不公平なので、Let’snoteが本当に優れている点を正直にまとめます。

Let’snoteの本当の強み
  • バッテリー持続時間が優秀:Let’snoteはバッテリー駆動時間の長さが伝統的な強みで、モデルによっては20時間超えのカタログ値を誇る。外回りや出張の多いビジネスマンには実用的な強みになる
  • 端子の充実ぶりは業界トップクラス:USB-A複数・LAN端子・HDMIなどを標準搭載するモデルが多く、変換アダプターなしで大抵の機器に接続できる。会議室でのプロジェクター接続、有線LANでの安定通信——これが必要なビジネスシーンはまだ多い
  • 堅牢性・耐久テストの基準が高い:米国国防省調達基準MIL規格(MIL-STD-810)に準拠した耐久テストを実施しているモデルがある。振動・衝撃・温度変化への耐性は本物
  • 長期サポート・保守体制:パナソニックの法人サポートは国内に整備されており、5年・7年といった長期保証プランも充実している
  • メイドインジャパン:神戸工場での国内生産は今も継続。品質管理の基準を自社でコントロールできている

そして価格ですが、Let’snoteは国内PCメーカーの中でも飛び抜けて高い部類に入ります。エントリーモデルでも20万円台後半から、上位モデルは30万円を超えることも珍しくありません。

「このスペックでなぜこの値段?」と思う方も多いはずで、それは正直な感覚です。メイドインジャパン・堅牢性・長期サポートへのプレミアムが乗っている価格です。それに価値を感じるかどうかで、Let’snoteを選ぶかどうかが決まります。

Let’snoteを買うべき人・買わなくていい人

Let’snoteを買う合理的な理由がある人
  • 外回り・出張が多くバッテリー持続時間を最優先する人
  • 有線LAN・USB-A・HDMIを変換アダプターなしで使いたい人
  • 5年以上の長期間使い続ける前提で、修理・保守コストも含めてトータルで考えたい人
  • MIL規格の堅牢性が業務上必要な人(工場・現場・屋外作業など)
  • メイドインジャパンに実用的な価値を感じる人(官公庁・特定業種など)
  • 長年使ってきてLet’snoteのUIに慣れている人
Let’snoteを買わなくていい人
  • デザインやスタイルにこだわりがある人——正直、見た目は古い
  • コスパを重視する人——同スペックで10万円以上安い選択肢が他社にある
  • 最新AIパソコン(Copilot+ PC)機能を使いたい人
  • カフェや大学で使うのに見た目を気にする人
  • 大型トラックパッドに慣れていて、丸型に適応できる自信がない人
  • 「生協に勧められたから」「会社で使ってるから」という以外に理由がない人

まとめ——おじさんのパソコンが生き残り続ける理由

NEC・富士通・DynabookがLenovo・鴻海に飲み込まれていく中で、Let’snoteは今もパナソニックブランドで神戸製を貫いています。

これは確かにすごいことです。

でも量販店の売り場では、もうほとんど見かけない。若い人には刺さらない。デザインは30年止まっている。トラックパッドは丸い。価格は高い。AIパソコン対応は遅い。

それでも潰れないのは、法人・官公庁という盤石な顧客基盤と、長年の取引関係が支えているから。そしてその基盤を守るための「修理しやすい設計」「長期保守サポート」「メイドインジャパン」というこだわりが、ちゃんと機能しているからです。

「おじさんのパソコン」と笑われながらも、おじさんたちに支えられて生き残るLet’snote。ある意味、日本のBtoB産業の縮図を見ているようです。

デザインを刷新して、AIパソコン対応を急いで、若い世代にも届けようとする日が来るのか——それともこのまま法人特化の道を極めるのか。Let’snoteの次の一手を、複雑な気持ちで待ちたいと思います。

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