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NECや富士通はLenovo傘下?日本メーカーパソコンの現実を販売員が解説【2026年】

「やっぱり日本のメーカーが安心ですよね?」

「NECって壊れにくいって聞いたんですけど」

「富士通って日本製だから品質いいんでしょ?」

20年間、家電量販店でパソコンを売り続けてきた僕が、毎日のように聞かされてきた言葉です。

正直に言います。この認識、かなりズレています。

悪意があってこう言っているわけじゃないし、過去には確かに正しかった時代もありました。

でも2026年現在、「日本メーカーのパソコン=品質が高い・安心」という等式は、もう成立していません。

これは日本メーカーを批判したいわけでも、海外メーカーを持ち上げたいわけでもない。

20年間売り場に立ち続けた人間が、ユーザーに本当のことを伝えたい——ただそれだけです。

パソコンの性能は「メーカー」ではなく「部品」で決まる

まずここを理解してほしい。パソコンの性能・快適さ・耐久性のほとんどは、中に入っている部品で決まります。

具体的に言うと、こういう部品です。

パソコンの性能を決める主な部品
  • CPU(プロセッサ):パソコンの頭脳。IntelかAMDが世界シェアのほぼ100%を握っている
  • メモリ(RAM):作業机の広さ。SamsungやSK Hynixなど韓国・米国メーカーが世界を席巻
  • SSD/HDD(ストレージ):データの保管庫。Samsung、Micron、Western Digitalなどが主要メーカー
  • ディスプレイパネル:画面の品質。LG、Samsung、BOE(中国)などが製造
  • バッテリー:持続時間を決める。Panasonicや中国メーカーが多い

お気づきでしょうか。

パソコンの中身を作っているのは、「パソコンメーカー」ではない企業がほとんどなんです。

NECのパソコンにも、富士通のパソコンにも、Dellのパソコンにも、同じIntelのCPUが入っていることがあります。

同じCPU、同じメモリ、同じSSDを使っていれば、動作速度はほぼ同じです。

ちなみにAppleのMacBookは2020年末にIntelを完全に捨て、独自設計のApple Silicon(ARMベース)へ移行済みです。MicrosoftのSurfaceが採用するSnapdragon(ARMベース)と同じアーキテクチャの仲間で、「OSとプロセッサーを自社グループで設計する」という点ではむしろSurfaceに近い存在です。

「NECだから速い」「富士通だから安定している」——これは技術的に見ると根拠のない話なんです。

じゃあメーカーは何をしているの?

パソコンメーカーの主な仕事は「設計・組み立て・ブランディング・サポート」です。

どの部品を選んでどう組み合わせるか、筐体(ボディ)のデザインをどうするか、ソフトウェアをどう入れるか——これがメーカーの差別化ポイントです。

つまりデザインや使いやすさ、サポートの質はメーカーによって違います。でも「動作の安定性」や「壊れやすさ」は部品の品質に依存する部分がほとんどで、メーカーによる差は思っているより小さいです。

「NECは壊れにくい」という話をよく聞きますが、同じ部品を使っていれば壊れる確率はほぼ同じです。

むしろどの部品を採用しているかによって、耐久性は大きく変わります。同じメーカーでも上位モデルと廉価モデルでは部品の品質が違うことも多い。

パソコンを選ぶなら、メーカー名より「CPUは何か」「メモリは何GB搭載されているか」「SSDの容量と種類は何か」を見るべきです。これが本質です。

NECと富士通はもう「日本のパソコン会社」ではない

ここが一番知られていない事実です。

NECと富士通は、今もパソコン事業を日本で独自に運営していると思っていませんか?

NEC・富士通のパソコン事業の現実

NEC:
2011年、NECはパソコン事業をLenovoとの合弁会社「レノボ・NEC・ホールディングスB.V.」に移管。その後Lenovoが株式の過半数を取得し、実質的にLenovo傘下となりました。現在の「NEC LAVIE」ブランドのパソコンは、Lenovoとの協業のもとで製品企画・設計・製造が進められています。

 

富士通(FMV):
2016年、富士通はパソコン事業を分社化し「富士通クライアントコンピューティング(FCCL)」を設立。2018年にはLenovoが51%の株式を取得し、ここも実質的にLenovo傘下に。現在の「FMV」ブランドのパソコンもLenovoとの協業体制で展開されています。

つまり、NECも富士通も、パソコン事業の経営権はすでにLenovoが握っています。

「NEC LAVIE」「FMV」というブランド名は残っていますが、その中身の多くはLenovoと共有された設計・調達・製造ラインで作られています。

部品の調達もLenovoグループとして行われるため、コスト面での交渉力はLenovoが持っています。

OEM(相手先ブランドの製品を製造する形態)によって、実質的にLenovoの製品にNECや富士通のロゴが貼られているモデルも存在します。

誤解してほしくないこと

NECや富士通のパソコン部門には、今でも多くの日本人エンジニアや開発者が働いています。

特に法人向けモデルでは、セキュリティ機能や日本市場向けのカスタマイズに関して、日本のチームが深く関与しているモデルもあります。

「日本人がまったく関与していない」は言いすぎです。でも「純粋な日本のパソコンメーカー」という認識は、もう現実とは違います。

IBMが歩んだ道、そしてNEC・富士通が同じ轍を踏んだ理由

実はこれ、まったく同じことが2004年にも起きています。

IBMは世界最初のパソコン「IBM PC」を1981年に発売し、「パソコンといえばIBM」という時代を作ったメーカーです。

しかし2004年、IBMはパソコン事業をLenovoに売却しました。

IBMがパソコン事業を売った理由
IBMがパソコン事業を手放した背景には、以下の構造的な問題がありました。

  • コモディティ化(部品が標準化され、どのメーカーも同じものが作れるようになった)による価格競争の激化
  • 台湾・中国メーカーの台頭による製造コストの上昇
  • ブランド力だけでは価格差を正当化できなくなった
  • 利益率が低下し、事業として旨みがなくなった

NECと富士通はこれを見ていたはずです。

でも同じ道を歩みました。理由はシンプルで、構造的に避けられなかったからです。

パソコンは「コモディティ(汎用品)」になってしまいました。どのメーカーも同じ部品を使って作れるようになった結果、価格競争しか差別化できなくなった。

日本メーカーは人件費・開発費が高く、価格競争では台湾・中国メーカーに勝てない。

かといって高品質・高価格路線を維持するには、日本のユーザーが安いものを求めすぎた。

「高くていいものを作っても売れない、安く作れば利益が出ない」——この板挟みが、事業売却という結論につながりました。

現在もLenovoブランドで売られている「ThinkPad」

IBMから引き継いだThinkPadシリーズは、今でもLenovoのビジネス向けフラッグシップとして世界中で高い評価を受けています。

「IBMのThinkPadが好きだったのに」という声もよく聞きますが、現在のThinkPadは設計・品質基準ともに高いレベルを維持しています。ブランドを引き継ぐだけでなく、品質基準も引き継いでいるのがLenovoの巧みさとも言えます。

「日本製=高品質」という幻想はどこから来たのか

「日本製は丁寧に作られていて品質が高い」——これ、完全に嘘ではありません。

1980〜90年代の日本のパソコン産業は、確かに世界トップクラスでした。

NECのPC-9800シリーズは日本市場でシェア50%以上を誇り、富士通・シャープ・東芝なども独自のアーキテクチャでパソコンを開発していました。

当時の日本製パソコンは、独自CPUの採用、独自OSの開発、独自の日本語処理技術など、本当に「日本でゼロから作られた製品」でした。

この時代の品質と信頼性が、「日本メーカーは品質が高い」というイメージを作り上げました。

でも、それは30〜40年前の話です。

日本パソコン産業の盛衰
1980年代:NEC PC-9800シリーズが国内市場を席巻。独自アーキテクチャで日本語処理を実現

1990年代:Windows+Intel(Wintel)アーキテクチャが世界標準に。独自路線の日本メーカーは方向転換を迫られる

2000年代:台湾・中国メーカーの台頭。DellやHPが日本市場に本格参入し価格競争が激化

2010年代:NECがLenovo傘下に(2011年)、富士通のPC事業もLenovo傘下に(2018年)

2020年代:ブランド名だけが残り、実態はLenovoとの協業体制

30年前のイメージが、現在の購買行動を支配している。

これが「日本メーカー神話」の正体です。

売り場でよく聞く「昔NECを使っていて良かったから」という声。そのNECは今のNECとは、中身がまったく違います。昔の体験が今の判断基準になっているというのは、かなりもったいない話です。

Lenovoが日本人から静かにお金を回収し続ける構図

これが一番ビジネス的に面白い(そして怖い)話です。

Lenovoは世界最大のパソコンメーカーです。2023年の世界シェアはDellやHPを抑えてトップ。年間出荷台数は6,000万台を超えます。

そのLenovoが日本でやっていることを整理するとこうなります。

LenovoによるNEC・富士通ブランド活用戦略
  • NEC・富士通ブランドを残し、日本人の「安心感」を担保する
  • 設計・部品調達はLenovoグループの規模を活かしてコストを下げる
  • 「日本メーカーが作った」というイメージで、実勢価格より高めに販売できる
  • サポートはNEC・富士通の名前で提供しつつ、実際のオペレーションコストは最適化
  • 法人市場では「日本メーカー」としての信頼を使って大口契約を獲得する

つまり、「日本メーカー」というブランドへの信頼を使って、より高い価格で販売し、その利益の多くはLenovoグループに流れていく構造です。

日本人が「安心だから」「日本製だから」と払った数万円のプレミアムは、結局のところ中国本社のLenovoの収益に貢献しているわけです。

もちろん、Lenovoが悪い企業だと言いたいわけではありません。これはビジネス戦略として非常に合理的です。

問題は、ユーザーがその構造を知らないまま「日本メーカーだから安心」と判断して購入していること。

実際の価格差を見てみると

同程度のスペック(Core i5・16GB・512GB SSD)で比較すると——

NEC LAVIE:12〜15万円前後
Lenovo本体ブランド(IdeaPad等):8〜10万円前後
Dell・HP:8〜11万円前後

NECブランドには「日本メーカープレミアム」として2〜4万円程度の上乗せがある場合があります。その差額が何に使われているかを考えると、少し複雑な気持ちになります。

日本メーカーのコンシューマー向けPCが抱えるもう一つの問題

ブランドや価格の問題だけじゃなく、製品そのものにも長年気になっていることがあります。

日本のコンシューマー向けパソコンは、「初心者に優しすぎる」んです。

日本コンシューマー向けPCの問題点
  • プリインストールアプリが多すぎる:購入時から不要なソフトがたくさん入っており、起動が遅くなる原因になることも。「ナビゲーションソフト」「バックアップソフト」「セキュリティソフト(試用版)」など、使わないアプリが10〜20個入っていることも珍しくない
  • 初心者向けUIが邪魔になることがある:パソコン操作をサポートするナビゲーション機能が、中上級者にとってはかえって使いにくい
  • 余計な機能のぶん価格が上がる:使わないサービス・サポート・ソフトのコストがパソコン本体価格に乗っている
  • シンプルモデルが存在しない:「余計なものは一切いらない、スペックだけ欲しい」というユーザーの選択肢がほぼない

DellやLenovo直販モデルを見ると、プリインストールアプリは最小限で、必要なスペックを選んで購入できる柔軟性があります。

日本メーカーはいつまでたっても「初心者向けパッケージ」一本槍で、シンプルに使いたいユーザーへの対応が弱い。これは10年以上変わっていない問題です。

プリインストールアプリが多い理由の一つには、ソフトウェアメーカーからの「プリインストール料」があります。パソコンに試用版を入れてもらう代わりに、ソフトウェアメーカーがパソコンメーカーに費用を払う仕組みです。

ユーザーにとって不要なアプリが、パソコンメーカーの収益源になっているという構造も知っておいてほしいところです。

プリインストールアプリを削除するだけで速くなる

日本メーカーのパソコンを購入したら、まず不要なプリインストールアプリを削除することを強くおすすめします。

「なんかパソコンが遅い」という相談を受けたとき、プリインストールアプリを整理するだけで体感速度が大幅に改善されるケースは、売り場でもしょっちゅう経験してきました。

本当に悪いのは誰か——ユーザーが招いた結末

ここで少し立ち止まって考えたいことがあります。

「日本メーカーがダメになった」「Lenovoに飲み込まれた」——これを日本メーカーだけの責任にするのは、正確ではないと思っています。

正直に言うと、今の状況はユーザーが招いた結果でもあります。

「少しでも安いパソコンが欲しい」「スペックが同じなら安いほうがいい」——この需要に応えようとした結果、価格競争が激化し、利益率が下がり、日本メーカーは事業維持が難しくなりました。

パソコン以外でも起きている同じ構図
この話、パソコンだけじゃないですよね。

テレビ:SONYやPanasonicは今も頑張っていますが、国内シェアを韓国(Samsung・LG)や中国(TCL・Hisense)に奪われています。

スマートフォン:かつてはソニー・京セラ・シャープが国産スマホを作っていましたが、今やApple(米国)とSamsung(韓国)の二強。

半導体:かつて世界トップだった日本の半導体産業は、今や台湾(TSMC)や韓国(Samsung)に完全に抜かれています。

ユーザーが「安くていいもの」を求め続けた結果、コスト競争力のある海外メーカーに市場を奪われていく——これは製造業全体で繰り返されているパターンです。

「高くても日本製を買おう」という選択が広まっていれば、今と違う未来があったかもしれない。

でもそれを消費者に求めるのも酷な話で、安い選択肢がある中でわざわざ高いものを買う理由を、メーカー自身が作れなかった面もあります。

「悪者」を一人に決めることはできない。でも現実として、日本のパソコン産業はユーザー・メーカー・市場が複合的に絡み合った結果として、今の姿になっています。

これはパソコンに限らず、日本のモノづくり全体が向き合うべき問いでもあります。

では、2026年今どのメーカーを選べばいいのか

ここまで読んで「じゃあ結局何を買えばいいの?」となりますよね。

20年間売り場に立ってきた経験から、正直にお伝えします。

2026年 用途別おすすめメーカー・選び方

【日常使い・コスパ重視】
→ LenovoのIdeaPadシリーズ、Dell Inspiron、HP Pavilionあたりが価格対性能比で優秀。同スペックで日本ブランドより2〜4万円安く手に入ることが多い。

 

【ビジネス・長く使いたい】
→ Lenovo ThinkPad、Dell Latitude、HP EliteBook。耐久テストの基準が厳しく、法人向けの堅牢性が個人にも恩恵をもたらす。

 

【クリエイティブ・デザイン・映像制作】
→ Apple MacBook Pro(M4チップ)、Dell XPS、ASUS ROGシリーズ(ゲーミング兼用)。

 

【サポートを重視・初心者】
→ NECや富士通を否定はしない。日本語サポートが手厚く、サポート窓口に繋がりやすい点は事実。ただし、スペックと価格のバランスは必ず確認すること。

メーカーよりも先に確認してほしいのは、CPUの世代・メモリ容量・SSDの種類です。これが分かれば、どのメーカーのカタログを見ても適切な判断ができるようになります。

パソコン選びの最低限チェックリスト
  • CPU:Intel Core Ultra 5以上 or AMD Ryzen 5以上(2026年現在)
  • メモリ:最低16GB。できれば16GB以上
  • ストレージ:SSDであること(HDDは論外)、容量は512GB以上推奨
  • ディスプレイ:フルHD(1920×1080)以上。ノートなら非光沢パネルが目に優しい
  • バッテリー:カタログ値10時間以上。実使用では半分〜7割程度と見ておく

これを踏まえた上でメーカーを選べば、「なんとなく日本メーカーがいいから」という理由で数万円の無駄遣いをせずに済みます。

NECや富士通が向いている人

とはいえ、NECや富士通が完全にダメかというと、そうも言い切れません。

NECや富士通を選ぶ合理的な理由が存在するケース
  • 日本語電話サポートを重視する高齢の方や初心者
  • 法人契約で日本メーカーの保守サービスが必要な企業
  • 修理・保守の拠点が国内にあることを重視する用途
  • 日本語入力や日本向けソフトウェアが最初から整っている環境を求める方

「サポートを含めたトータルコスト」で考えると、NECや富士通が割高でない場面もゼロではないです。ただし、それを正確に判断するには、サポートの価値をどれくらい見積もるかによって変わります。

まとめ:正しい知識が、あなたのお金を守る

20年間、売り場でパソコンを売り続けてきて、一番もどかしかったのはこういうシーンです。

「日本メーカーがいいと聞いたので」と言いながら、同スペックの海外ブランドより3万円高いパソコンを買っていくお客様。

その3万円の差が何に使われているかを知っていれば、選択は変わったかもしれない。

今回お伝えしたかったことを一言でまとめると——「パソコンはメーカー名ではなく、中身で選んでください」ということです。

NECも富士通も、かつては世界に誇れる日本のパソコンメーカーでした。その歴史は本物だし、今でも現場で働いている人たちの努力も本物です。

でも、2026年の現実としては、ブランド名だけで購入判断をするのは、少なくともパソコンに関しては合理的ではありません。

CPUは何か。メモリは何GB か。SSDは何GBか。——この3つを確認する習慣をつけるだけで、あなたのパソコン選びは劇的に変わります。

「知らないと損をする」情報を、これからも現場の生の声としてお届けしていきます。

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