WindowsPCはCopilot +PCに準拠した ものがおすすめ!

現役販売員が正直に言う「今VAIOを買うべき人・買わなくていい人」【2026年版】

「VAIOって今も日本製なんですか?」

「VAIOって高いだけじゃないんですか?」

売り場でVAIOの前に立つお客様は、たいてい二種類に分かれます。

「懐かしい」と言って触る40代以上の方と、「これ何このパソコン?」と首を傾げる若い方。

VAIOは今、とても不思議なポジションにいるブランドです。品質は本物なのに、売れない。おすすめしたいのに、できない。その理由を正直に話します。

VAIOを語るにはSONYタイマーの歴史から始めなければならない

「SONYタイマー」という言葉を知っていますか。

2000年代にインターネット上で広まったこの言葉は、「SONYの製品は保証期間が切れた直後に壊れるように設計されている」という都市伝説から生まれました。

もちろん、本当にタイマーが仕込まれていたわけではありません。でもこれだけ広まったということは、それだけ多くのユーザーが「SONYの製品が保証期間前後に壊れた」という体験をしていたということです。

SONYタイマー伝説が生まれた背景
  • 1990年代後半〜2000年代:SONYはウォークマン、プレイステーション、ブラウン管テレビ、デジカメなど多分野で革新的な製品を連発。しかし同時期に品質トラブルも相次いだ
  • VAIOのバッテリー問題(2006年):VAIO搭載バッテリーが発火・爆発する事故が世界各地で発生。約960万個という大規模リコールに発展した。これが「SONYの品質管理への不信感」を一気に高めた
  • PlayStation 3の初期不具合:高価格帯製品でのトラブルが続き、「高いのに壊れる」というイメージが定着した
  • 薄型・軽量化の追求による耐久性の犠牲:SONYはデザインと薄さを優先するあまり、耐久性が二の次になっていた時期があった。VAIOも例外ではなく「デザインはいいけど壊れやすい」という評判がついた

売り場にいた身として正直に言うと、2000年代のSONY製品はクレームが多かった。VAIOも「また壊れた」という修理・返品対応が他のメーカーより多かった記憶があります。デザインへの評価は高いのに、品質への信頼が追いついていなかった時代です。

この「SONYタイマー」の汚名は、VAIOがSONY傘下にあった期間ずっと付きまとった呪縛でした。

しかし、この長く苦しいSONY時代の品質管理の歴史が、逆説的にVAIOを鍛えていくことになります。

SONYタイマーのその後

2010年代以降、SONYは品質管理体制を大幅に見直しました。現在のSONY製品(カメラ・ヘッドフォン・テレビなど)の品質は大きく改善されており、SONYタイマーはほぼ過去の話になっています。

ただし、一度ついたイメージはなかなか消えないもの。今でも「SONYって壊れやすいイメージがある」という声を売り場で聞くことがあります。

SONYの呪縛から解放されたVAIO——独立後に起きたこと

転機は2014年でした。

SONYは不採算事業の整理を進める中で、VAIO事業を日本産業パートナーズ(JIP)に売却しました。こうして「VAIO株式会社」が長野県安曇野市で独立します。

VAIO独立後に変わったこと
製造拠点:長野県安曇野市の自社工場にほぼ集約。「日本製」を正式に掲げる体制に。

ラインナップの絞り込み:SONYブランド時代の幅広い製品展開から一転、法人向けと一部のプレミアムコンシューマーモデルに特化。

販売チャネルの絞り込み:全国の量販店展開ではなく、一部の量販店と法人向けに販売リソースを集中。

品質管理の強化:少量精鋭の生産体制で、一台一台の品質に向き合う方針へ転換。

これが正解でした。

SONYという大企業の中では「コスト」「販売台数」「利益率」のプレッシャーに追われていたVAIOが、独立後は「品質」に集中できる環境を手に入れました。

現在のVAIOを実際に手に取ると、「日本製」を名乗ることへの違和感がほぼありません。筐体の剛性感、ヒンジの滑らかさ、キーボードのたわみのなさ——細部の仕上がりは、同価格帯の海外ブランドと比べて確かに丁寧です。これはSONY時代の苦しい品質改善の歴史と、独立後の少量精鋭生産が生み出した産物だと思っています。

2026年のVAIOが抱える致命的な問題

品質を褒めた直後に言いにくいのですが、これが現実です。

2026年現在、VAIOはAIパソコン(Copilot+ PC)の時代にほぼ対応できていません。

これは致命的な問題です。

VAIOのAIPC対応の現状
  • Copilot+ PC対応モデルがほぼ皆無:MicrosoftがAI機能の新基準として推進するCopilot+ PC(NPU 40TOPS以上が必要)に対応したVAIOモデルは、2026年時点でほとんど存在しない
  • Snapdragon X搭載モデルの不在:SurfaceやASUS、Lenovoなどが積極的に採用するSnapdragon X(ARMベース・AI特化チップ)を搭載したVAIOは現状ない
  • AMD Ryzenの採用も限定的:コスパと性能で今やPC業界のスタンダードになりつつあるRyzenシリーズの採用が少ない
  • 旧世代Intelプロセッサー中心のラインナップ:他社がCore Ultraシリーズへ移行を進める中、VAIOは世代更新のスピードが遅い

理由は明白で、日本の自社工場で少量生産するVAIOのビジネスモデルでは、新世代チップへの迅速な対応が構造的に難しいのです。

大量調達・大量生産で新チップにすぐ対応できるLenovo・Dell・HPと同じ土俵では戦えない。これはVAIOの宿命とも言える問題です。

売り場の正直な本音を言うと、「VAIOのどのモデルをおすすめしますか?」と聞かれたとき、今は答えに詰まります。品質は分かってる、丈夫さも分かってる、でもCPUが今の時代に合っていない。これが今のVAIOの最大のジレンマです。

日本製にこだわるコストの現実

VAIOが長野の自社工場で日本製にこだわる姿勢は評価できます。しかしそのコストは当然、販売価格に反映されます。

同等スペックの海外ブランドと比べると、VAIOは2〜5万円程度高くなることがほとんどです。

さらに最新チップへの対応が遅れると、「高い・スペックも古い」という状況になりかねません。この問題をVAIOがどう解決するかが、今後の生存を左右すると思っています。

それでもVAIOを選ぶ理由が確かに存在する

ここからは、VAIOの本当の強みを正直にお伝えします。

①筐体の品質・剛性感は本物

先ほども触れましたが、VAIOの筐体品質は日本のコンシューマー向けPCの中では頭一つ抜けています。

カーボンファイバーや高強度アルミを使ったモデルは、同価格帯の海外ブランドと比べてたわみが少なく、長期間使っても軋みが出にくい。毎日カバンに入れて持ち運ぶビジネスマンには、この剛性感は実用的な価値があります。

②端子の充実ぶりは地味に助かる

薄型軽量にこだわりながらも、VAIOはUSB-AとUSB-Cを両方しっかり搭載しているモデルが多い。「USB-Cしかないから変換アダプターが必要」という昨今の薄型ノートあるある問題を、ちゃんと意識して設計しています。

これ、実際に使う場面では地味に助かります。会社の古いプリンター、プロジェクター接続、USBメモリ——現場ではまだまだUSB-Aが必要な場面がたくさんある。

③意外と知られていないカラーバリエーション

「VAIOってシルバーとか黒のビジネス系しかないでしょ?」——そう思っているなら一度調べてみてください。

VAIOには実はピンクやビビットなカラーのモデルが存在します。落ち着いたビジネスライクなイメージとは裏腹に、カラー展開は意外と個性的。「他の人と被りたくない」「スタイリッシュなノートPCが欲しい」という若い方の支持も一定数あります。

このカラー展開はもっと積極的にアピールすべきだと思うのですが、VAIOのマーケティングはこういう尖ったポイントを全然表に出さない。もったいない。

④昔からのファンによる安定した需要

「SONY VAIOを20年使ってきた」「VAIOじゃないと使う気がしない」というコアなファン層が一定数います。売り場での存在感は薄くても、このファン層がVAIOブランドを支えています。

VAIOを買うべき人・買わなくていい人

VAIOを買う合理的な理由がある人
  • 毎日持ち歩くビジネスPCとして、耐久性・剛性を最優先する人
  • AI機能やゲームには興味がなく、Officeと資料作成・Web閲覧が中心の人
  • USB-Aを含む豊富な端子が必要で、変換アダプターを持ち歩きたくない人
  • 「日本製」であることに価値を感じる人(コンセプトとして納得できる人)
  • カラーバリエーションの豊富さに惹かれた人
  • 昔からのVAIOファンで、ブランドへの信頼がある人
VAIOを買わなくていい人
  • AI機能(Copilot+)を活用したい人——対応モデルがほぼない
  • コスパを重視する人——同スペックで2〜5万円安い選択肢が他社にある
  • 最新スペックにこだわる人——CPU世代の更新が遅い
  • 動画編集・ゲームなど高負荷な用途——GPU性能で他社に劣る
  • 「なんとなく日本製が良さそう」という曖昧な理由だけで選ぼうとしている人

正直に言うと、2026年現在「VAIOを積極的におすすめできるシーン」はかなり限られています。CPUの世代とAI対応さえクリアできれば、ビジネス用途では本当に良い選択肢になれるポテンシャルがある。それだけに、現状のラインナップがもどかしい。

まとめ——CPUさえ、CPUさえまともなら

SONYタイマーと呼ばれた時代を乗り越え、長野の自社工場で「日本製」を守り続けるVAIO。

その品質へのこだわりは本物だし、筐体の剛性感・端子の充実ぶり・個性的なカラー展開は、ちゃんと評価されるべきポイントです。

ただ2026年の現実として、AIパソコン時代への対応の遅れは深刻です。

「VAIOはいいパソコンですか?」と聞かれたら、「作りはいいです。でも今買うならCPUが気になります」と答えます。これが正直なところです。

Copilot+ PCに対応した新世代プロセッサーを搭載したVAIOが出てくれば、「日本製・高品質・AI対応」という三拍子が揃い、価格プレミアムを払う理由が明確になります。

そのモデルが出たとき、VAIOはもう一度輝けると思っています。

CPUさえ、CPUさえまともなら——それが今のVAIOへの正直な気持ちです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です