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6年前のパソコンがゴミになった日|Intel第7世代とHDDが招いた最悪の結末【実話】

「まだ使えるのに、なぜ買い替えなければいけないんですか?」

その言葉と、納得できないという顔が、今でも忘れられない。

2023年の秋、一人の男性が古いノートパソコンを抱えて売り場にやってきた。
6年前に約8万円で購入したパソコン。壊れてはいない。でも、もう使い物にならなかった。

原因はシンプルだった。Intel第7世代CPU+HDDという、当時は「普通」だったスペックが、2023年に完全な地雷になっていた。

誰も悪くない。でも、誰かが教えてあげるべきだった。

この記事は、その男性と同じ失敗をこれ以上繰り返してほしくないという気持ちで書いています。

2017年、Intel第7世代は「普通のパソコン」だった

時代を少し遡らせてください。

2017〜2018年頃、量販店のパソコン売り場にはIntel第7世代(Kaby Lake)を搭載したノートパソコンが並んでいた。価格は5〜8万円台。ストレージはHDD搭載モデルが多く、SSDモデルは少し高かった。

当時の売り場での会話はだいたいこんな感じだった。

当時の典型的な売り場トーク

「ネットと書類作成がメインなので、そこまでスペックはいらないです」

「でしたらこちらで十分ですよ。Officeも入って6万8千円です」

「安いですね。これにします」

何もおかしくない。むしろ正しい接客だったかもしれない。当時の基準では、第7世代+HDDは「普通のパソコン」だったから。

でも罠はそこに潜んでいた。誰も気づかないまま、時限爆弾のように。

問題①:Windows11に足切りされた現実

2021年、Microsoftが突きつけた現実は残酷だった。

Windows11の最低要件が発表された瞬間、Intel第8世代以前のCPUは原則として対象外になった。第7世代を買った人たちは、購入からわずか3〜4年で「サポート対象外予備軍」になってしまったのだ。

Windows11の主な最低要件
  • CPU:Intel第8世代以降、またはAMD Ryzen 2000番台以降
  • TPM:TPM 2.0が必要(第7世代以前のPCでは非搭載が多い)
  • RAM:4GB以上
  • ストレージ:64GB以上の空き容量

「TPMって何ですか?」という質問を何十回聞いたかわからない。Trusted Platform Moduleの略で、セキュリティ用のチップのことだ。第7世代以前の多くのパソコンにはこれが搭載されていないか、BIOSで無効になっていた。

Windows10のサポート終了は2025年10月14日。その日以降、Windows11にアップグレードできない第7世代ユーザーはセキュリティアップデートを受けられなくなる。

「まだ壊れていないのに」という感情は理解できる。でもセキュリティの穴が開いたパソコンをネットに繋ぎ続けることは、鍵のかかっていない家に住み続けるようなものだ。

当時の販売員として、止められなかった後悔

正直に言う。当時の私は「Windows11の要件がこんなに厳しくなる」とは思っていなかった。

「将来のOSアップグレードのことを考えると、もう一世代新しいモデルを…」なんて提案は、値段が上がるのでなかなか言い出せなかった。

あの時に一万円高いモデルを勧めていれば、お客様は3年長く使えた。これは今でも後悔している。

問題②:HDDという名の地獄

CPU世代の問題と並んで、もう一つの地雷がHDD(ハードディスク)だった。

当時のHDD搭載パソコンを2023年に起動すると、何が起きるか。実際に体験した人なら分かるはずだ。

HDD搭載パソコンの2023年における現実

電源ボタンを押す → 砂時計が回り始める

1分後 → まだデスクトップが表示されない

3分後 → やっとデスクトップが出てきた。でもHDDが唸っている

5分後 → ようやくブラウザが開けるようになった

Windowsアップデート中 → その間は一切操作不能。下手すれば数時間

これはドラマではなく、売り場での相談案件の実態だ。「パソコンが遅くて仕事にならない」という相談の8割以上は、HDD搭載モデルが原因だった。

なぜこうなるのか。Windowsのアップデートが年々大型化し、処理するデータ量が増えた。HDDは物理的に円盤を回転させてデータを読み書きする。SSDはフラッシュメモリで電気的に行う。この速度差は5〜10倍以上になることもある。

「安いから仕方ない」が一番高くついた

HDD搭載モデルはSSD搭載モデルより1〜2万円安かった。

でも結果的に2〜3年早く「使い物にならない」状態になり、買い替えを迫られた。

1万円ケチったせいで、数年後に10万円の買い替えコストが発生した。これが「安物買いの銭失い」の典型例だ。

問題③:買い替えサイクルが狂った

パソコンの適切な買い替えサイクルは、一般的に5〜8年と言われている。

きちんとしたスペックで購入し、SSDで快適に動いていれば、8〜10年使えるケースも珍しくない。実際に売り場でも「10年前のパソコンですがまだ動いています」という相談を受けることがある。

しかし第7世代+HDDの組み合わせは、この前提を崩した。

トータルコストで計算してみると

【当時の購入パターン】
2017年:第7世代+HDD搭載モデル 約68,000円

【実際の結末】
2023年:動作が遅すぎて実用不能。Windows11非対応も判明
→ 買い替えコスト:約100,000円

【6年間のトータルコスト:約168,000円】

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【もし当時1万円高いSSDモデルを買っていたら】
2017年:第8世代以降+SSD搭載モデル 約78,000円
→ 2026年現在でもWindows11対応・快適動作で使用継続可能
→ 買い替えコスト:まだ発生していない

差額:約90,000円の損

この計算を見ると「なぜあの時止めてくれなかったんだ」と言いたくなるかもしれない。その怒りは正しい。でも当時の販売員が全員この未来を見通せていたかというと、正直に言ってそうではなかった。

販売員としての正直な後悔

ここは個人的な話になる。

2017〜2018年当時、私はHDD搭載の第7世代モデルを何台売ったか、正確には覚えていない。でも相当な数だったことは確かだ。

「事務用途がメインなら十分です」「ネットと書類作成なら問題ありません」——そう言って売った。嘘ではなかった。でも完全に正しくもなかった。

あの時「将来のOSアップグレードのことを考えると、SSDのモデルの方が長く使えますよ」と一言添えていれば。「1万円の差が将来の安心に繋がります」と言い切れていれば。

売り場に立つ人間として、「今売れるか」ではなく「お客様が5年後に後悔しないか」を考えることが本当の接客だと、この経験で学んだ。遅すぎたけれど。

今ならこう選ぶ——2026年の正解スペック

後悔を活かして、2026年現在の「5年後も後悔しないスペック」をお伝えする。

2026年 後悔しないパソコンの最低ライン
  • CPU:Intel Core Ultra(第12世代以降)またはAMD Ryzen 5000番台以降。Copilot+ PC対応ならなお良い
  • ストレージ:SSD一択。256GB以上、できれば512GB。HDDモデルは今すぐ候補から外す
  • メモリ:16GB以上。8GBは2026年現在すでに心許ない
  • TPM 2.0:対応していることを必ず確認。Windows12が来ても慌てないために

パソコンは「今のスペック」ではなく「5年後も動くか」で選ぶ。この一言を、売り場で言い続けられなかった後悔とともに、ここに刻んでおく。

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