ノートパソコンは、使う方の用途とマッチしたものを選ぶのがものすごく大切です。しかし、知識がないと数多くのパソコンから必要なスペックや機能を判断して購入するのは難しいです。
今回は、ノートパソコンを購入する際に役立つスペックの見方とあなたがどのようなパソコンを購入するべきなのかを十数年パソコンやデジカメの販売に携わってきたプロの現役家電販売員が誰にでもわかるように紹介していきたいと思います。
ノートパソコンの選び方
O S(オペレーティングシステム)
パソコンの種類は大きくWindows OSとMac OS の二つに分類されます。一般的な事務作業(Officeソフトを使う、インターネットするなど)で使う場合はどちらもできることに大きな差はありませんが、画面の見え方や設定画面、付属のアプリケーションなどに違いがあります。
あまり深く考えなくてよくて、今世の中に最も普及しているコンピューターであるスマートフォンも同じ情勢です。AndroidスマホとiPhoneがWindowsとMacの関係性と似ています。
どっちのスマホでもLINEっていうアプリで連絡取れるし、インターネットブラウザでWebも見れる、メールもカメラで写真撮ったり、どちらのスマホでも使えますよね。
結局 OSの違いなんていうのは些細なことで「どんなアプリを使いこなせるか」いうことが大事になってきます。
ちなみに飲食店に例えると、サイゼリア(Windows)とココス(Mac)みたいな関係性と考えていいです。どちらもご飯食べる、ドリンクバーもある、サラダも食べられる。基本的な違いってないですよね。
CPUの選び方
パソコンの頭脳と例えられることが多いCPUですが、ここではあえて「飲食店」で例えます。パソコンのいわゆるスピードが、飲食店で料理が出てくるまでの時間と考えていただくといいですね。
CPUは搭載されているシリーズ(core i◯など)や開発された世代によってランクが決まってくるのですが、初心者の方が最も見るべきポイントはCPUのシリーズCeleron・Core i3・Core i5・Core i7に注目します。
このCPUのシリーズは飲食店で例えるならば「何人オペレーションで店を回してるか」ということになります。
例えば、休日の昼時にサイゼリアに行ったけど、お店の人が2人しかいなくて店の前まで行列になっている光景があったとします。料理が出てくるまでかなりの時間待つことになりますよね。
それこそがパソコンが遅い原因です。CPUはこの料理が出てくるまで遅くなってしまう原因に人員的要因が関わっています。
- Celeronは2人オペレーションのお店
- Core i3は3人オペレーションのお店
- Core i5は5人オペレーションのお店
- Core i7は7人オペレーションのお店
と考えていただくといいです。サイゼリアのお昼のピークの作業量はパソコンに例えると動画編集や3Dのゲームなどの重たい作業をさせている時なのでCore i5以上が必要です。
パソコンの一般的な事務作業は夫婦で営む小さな喫茶店でお客さんにコーヒーを出すくらいの作業なのでCeleronの2人オペレーションでも大丈夫といった見方をします。
画像編集や2DのCAD、OfficeのPowerPointなどは4人オペレーションのお昼時の「牛丼屋さん」みたいな状況ですね。是非Core i5以上のパソコンを選びたいところです。
最近ではintelのCoreシリーズの他にAMDという別会社の「Ryzen」というCPUも見られるようになってきましたが、ほとんどCore iシリーズと見方は一緒です。
- Ryzen3=Core i3
- Ryzen5=Core i5
- Ryzen7=Corei7
牛丼屋さんの店員がアメリカ人(intel)なのかカナダ人(AMD)なのかくらいの違いでしかないのであまり深く考えないようにしましょう。
ちなみに若干Ryzenシリーズの方がグラフィック処理が優秀です。(メモリの消費量が多いので後述するメモリ容量は8GB以上が必須です。4GBは避けましょう)
メモリの選び方
メモリはキッチンの広さに例えられます。現在流通しているパソコンには4GB・8GB・16GBが主流です。
データを保存するストレージと誤解してしまっている方も多いのがこの「メモリ」。
食材を保存しておく冷蔵庫が「ストレージ」で、食材を調理するキッチンが「メモリ」ということを分けて理解しておきましょう。
4GBはコンロも一つ口な一人暮らしのキッチン。
8GBは一軒家のコンロが3口あって作業スペース、シンクがある一軒家のキッチン
16GBはレストランの厨房クラスのキッチン
ということになります。例えば5人家族の奥さん!家族全員分の料理を一人暮らし用のキッチンで作れと言われたら辛くないですか?
サイゼリアの厨房で家庭用のキッチン使ってたらお昼時なんかすぐ行列になっちゃいますよね。
それぞれに適材適所というものがありまして、このバランスを取ることがパソコン選びで最も大切なのです。
2人(CPUがCeleron)で一人暮らしキッチン(メモリ4GB)でコーヒーを出す作業(インターネット、ちょっとした文章作成)のバランスは最高です。
5人(CPUがCore i5)で一軒家のキッチン規模(メモリ8GB)で牛丼屋さんを営む作業(画像編集など、パソコンのほとんどの軽作業)のバランスも最高です。
7人(CPUがCore i7)でレストランの厨房クラス(メモリ16GB)でサイゼリアのお昼のピークを回す作業(動画編集、3DのCADなど)は待ち時間もなくて最高です。
こう言った具合でCPUとメモリのバランスが保たれています。
これが一番伝えたいことなのです。メモ必須です!
ストレージの選び方
2020年はSSD(ソリッドステートドライブ)元年と言いましょうか、ほとんどのコンピューターにフラッシュメモリ型のSSDと呼ばれるストレージが採用されてきました。
ストレージとは、写真や文章などを保存しておく、いわゆる冷蔵庫のことです。
この冷蔵庫、昔はHDD(ハードディスクドライブ)というものが使われていたので、聞いたことがある方も多いと思います。
HDDの内部は円盤磁気ディスク(CDみたいなやつ)が中でぐるぐる回ってデータを記録していたのに対してSSDはメモリーカードみたいに電気信号で記録するタイプに変わったことでパソコンが劇的にスピードアップしました。これは革命なんです。
飲食店で例えるならこのHDDやSSDは冷蔵庫のことなのですが、なぜパソコンのスピードに関係するのかと疑問ですよね。実は
HDD型冷蔵庫=HDDの冷蔵庫は食材を用意するために50m走る必要があるので時間がかかる。
SSD型冷蔵庫=すぐそこ、部屋の中にある冷蔵庫。手を伸ばせば食材(データ)が取れる。
ストレージのスピードというのは冷蔵庫(HDD)がどれくらいの距離にあるのかを表しているんですね。
みなさんが使っているスマートフォンは発足当時からSSDの様なメモリ型が採用されているので遅さを感じることってあまりないですよね。(当然CPU、メモリ不足があれば遅いが)
ほとんどの人がパソコン遅い!と感じている原因の大半がこのHDDの遅さによるものなのです!めちゃくちゃ重要。メモメモ
しかし、それも2020年になってから急速にSSDに変わってきたのであまり気にしなくてもほとんどのパソコンでSSDが使われいるのですが、いまだにHDDを採用している機種もありますので、注意深くこのストレージを確認しておきましょう。
SSDの容量は主に128GB・256GB・512GBが主流です。
先に記した様に冷蔵庫の大きさに関わる部分なのでどれくらい備蓄するかで選ぶといいですね。
ちなみに、備蓄するのは主にアプリケーション(Officeソフトなど)と考えてください。写真や動画、ドキュメントなどの大切なデータは冷蔵庫(SSD)だけではなく、ほとんどを外にある倉庫(外付けUSBメモリなど)に保管するのが適切なデータの扱い方だからです。
- 一般的な事務作業での使用は128GBで十分
- デザインソフトや動画編集ソフトなどをインストールする方は256GB以上
- パソコンでゲームや、大容量の動画を一時的に保管するなら512GB以上
写真や動画などはいっぱいになっても外に出すことができるので、外に出すことができない、アプリケーションなどの使用量に応じて決めていくことになります。
大きさ
パソコンの大きさも選ぶ上で非常に大切な要素になります。普段持ち歩きをするか、家やオフィスで使うかによっても最適なものが違います。
普段持ち歩きをするかたは11〜13インチ。
家やオフィスで使用する方は13〜15インチ。
どちらにしても少しでも軽いものを選んでおきましょう。
家で使用するとしても、昔と違って、わざわざパソコンのある場所まで行ってパソコンの作業をするの時代は終わりました。
家にいたとしても、自分のいる場所にパソコンを持ってきて使用するスタイルがこれからのノートパソコンの利用スタイルです。
大事なのでもう一度。今まではパソコンがあるところまで行って電源入れて数分待って使用を開始するのが普通でした。
これからは、夜パソコンを充電しておいて、日中使うときは自分がいる場所(ダイニングなのかソファなのか、こたつなのか)でパソコンを開いたらスマホみたいにすぐ使い始められることがすごく大切なのです。
パソコンを使用する場所や機会が増えることでノートパソコンの価値が上がるからです。
人気のパソコンメーカー
自社でパソコンとO Sを製造しているAppleとMicrosoftは別格とはいえ、世界には様々なパソコンメーカーがあります。それぞれの特徴を現役家電販売員の僕の印象だけで紹介していきます。
Microsoft
世界中で使用されているO S「Windows」や「Microsoft Office」などを開発して、パソコンの一時代を築いてきたもはや殿堂入りのパソコンメーカー。2012年には「surface」というシリーズをリリースして、パソコン製造にも力を入れてきました。
学生向けから、ビジネス向け、タッチパネルやペンタブレット機能を用いたデザインの分野まで幅広い層に適したパソコン界の王様です。
「これさえあれば、何もいらない」をコンセプトに掲げたことがあるくらい完璧。
僕自身も15年ぶりに「surface」というノートパソコンに魅了されて購入してしまったくらいです。
Apple
MacBookでお馴染みの世界的人気メーカーです。2008年に当時のCEOスティーブ・ジョブスが封筒からMacBook Airを取り出してからまた新たな時代を開拓してきたパイオニア。
独自の「Mac O S」はiPhoneにも息づいている直感的で操作性がよく誰でも簡単に操作できるように設計されているので安心して使用できます。
何より、デザインが完璧と言ってもよくMacBookを使っていればカッコいい!オシャレなデザイナーやクリエイティブなユーザーが多いのもこのカッコ良さから。
かっこいいのに使いやすいし、性能もいい、完璧。
ちなみに僕はMacBookではなくずっとiMacというデスクトップを10年以上使っています。
画質が良くて、写真の編集や動画編集ではいつもお世話になってます。
DELL
世界3大パソコンメーカーの一つ。3大パソコンメーカーとはO Sを開発しているAppleやMicrosoftを除いて、DELL、HP(ヒューレットパッカード)、Lenovoのことを指します。
3大メーカーの中でも低コストのパソコンから超高性能なゲーミングパソコンまでのブランドが最も大きく、最高のコスパで多くの企業をはじめ店頭販売により一気に家庭にも普及したメーカーです。
オリジナルなソフトも少なくシンプルな作りになっているのも特徴です。
しかし、安いモデルは安っぽいので悪しからず。(DELLに限らないが)
用途別おすすめノートパソコン
僕が過去に数千台のノートパソコンを販売、メンテナンス、修理を行なってきて最も間違いがないノートパソコンを用途別に紹介していきます。
インターネット・文書作成
Apple MacBook Air MWTJ2J/A
特にiPhoneを使っている人は8割以上MacBookにしたほうがいいです。iPhoneやiPadとのiCloudによるデータ共有が便利すぎて使ったら抜け出せません。
液晶画面は高精細なRetinaディスプレイを採用していて画面の綺麗さは折り紙付きです。
トラックパッドも大きな面積で使いやすくマウスがなくても直感的な操作が可能です。
文書作成はApple純正のOfficeソフトを使用してもいいですが、Microsoft Officeも別途インストールできますので使用する環境に合わせて用意しましょう。
Microsoft surface laptop 3 VGY−00018
Windowsに使い慣れている方は是非surface laptop3で未来を感じましょう。
Windowsパソコンでは珍しいタッチパネルに対応していて、インターネットを見たり、 Officeソフトを使用する際にタッチパネルので拡大・縮小がスマホのようにタッチして操作できます。
画面の大きさもあまり横長すぎないほどよい縦横比と、高精細な解像度でとても見やすいです。
キーボードも打ちやすくデザインもかっこいいし、バッテリーも10時間前後持つのでオフィスモバイルとして活躍してくれます。
テンキーが付いていないので、必要な場合は外付けのテンキーを用意しましょう。
HP「ENVY 13-aq1000 G1」8DP60PA-AAAB
作業のしやすさと持ち運びのバランスが良い13.3型フルHD液晶モデルです。
パワフルな4コアのCPU 「Core i5」によって、負荷の高い高画質の動画もスムーズに再生可能。
Bang & Olufsenと共同開発したクアッドスピーカーで音質もいいです。
液晶画面を開くとヒンジがスタンドになり、キーボードに適度な傾斜がつくことで快適な文字入力が可能で良く考えられたデザインとなっています。
ビジネス用途
Microsoft「Surface Pro 7」VDV-00014
surface史上最高傑作。Microsoftの看板機種です。
「 Office Home &Business2019」は当然のように標準搭載。別売のキーボード型のカバーやペンを使用することによって、メモやノートを手書きでまとめたり、絵やデザインを書いたりできるのでビジネスでも様々な用途で活躍してくれること間違いなし。
デザインもパソコンには見えない未来型なタブレットタイプとなっており一枚の板状なのが特徴です。
本体もキーボードカバーと合わせても1kg前後と金属ボディにしては軽量で外出が多い方に非常におすすめです。
キーボードカバーもお忘れなく
DELL「Inspiron 14 5491 2-in-1」MI534CP-9WHBC
使い方に合わせて画面が360°回転する2-in-1ノートパソコンです。
標準のノートパソコンモードの他に、ペン入力が便利なタブレットモード、動画の視聴に便利なテントモードやスタンドモードに切り替えることができます。
資料の作成・共有など、シーンに合わせて自由なスタイルを選べるので人とは違った提案をすることもできます。
「Office Home&Business 2019」を搭載していて、購入してすぐにWordやExcelを使ったデータ作成が可能です。
パナソニック「Let’s note SVシリーズ」CF-SV9NDCQR
日本製らしく丈夫なボディや豊富なインターフェースなどが特徴的な軽量モデル。
厳しい落下試験や圧力試験をクリアした堅牢性の高い本体ですが、重量が約929gという軽さを実現しています。
また、外光や蛍光灯が映りこみにくい非光沢液晶を採用しており、長時間の作業による目の負担を低減してくれます。
バッテリー駆動時間は約13時間と、長時間の外出も安心です。
さらに、VGA端子から、USB3.1のType-Cポートまでカバーしているため、ビジネスに必要な端子を網羅している点も魅力です。
日本製でかつ堅牢性が高いため価格がネック。
動画や高画素写真編集
動画編集はメモリに16GB以上採用しているモデルがおすすめです。
Apple「MacBookPro 16インチ」MVVJ2J/A
16インチの大画面Retinaディスプレイを搭載したMacBookProです。
高輝度のディスプレイは、広色域のP3を表現可能な上にドットが見えないくらい高解像度で微妙な色の違いなどを忠実に再現することができるので写真や動画を扱う方にはうってつけです。
また、6コアのパワフルなCore i7プロセッサーと16GBの大容量メモリを搭載。負荷が高い動画編集やエンコードなどの作業をスムーズに進めることができます。
値段は高めですがノートパソコンとしては最高峰のコストパフォーマンスなの満点!
XPS 15 7590はデル最小の15.6インチ パフォーマンス ノートパソコンです。
有機ELディスプレイの自発光ピクセルは完全にオフに切り替えることができます。
これにより、100,000: 1という非常に高いコントラストのブラックを再現できます。コンテンツは特に暗い場所で驚くほど詳細に再現され、生き生きと映し出されます。
画像はより広い色域でコンテンツ製作者の思う通りに表現されます。
頑丈で耐久性の高いシャーシを美しいデザインに仕上げるために、アルミのブロックから精密にカットされています。
Corning Gorilla Glass 4は競合製品と比較して2倍の耐損傷性を備えています。
新しいWebカメラはただ小さくなっただけではなく、機能も改善されています。
新しい4素子レンズには一般的なWebカメラよりも多くの素子が使用され、シャープな映像を提供します。3次元ノイズ リダクションが特に薄暗い照明条件での品質を大幅に向上させています。
とにかく一番性能がいいWindowsノートパソコンを買いたい!という方是非。
マイクロソフト Surface Laptop 3 15インチ VFL–00018
AMD Ryzen7 3780U モバイルプロセッサー搭載の15インチ薄型ノートパソコン。
最大11.5時間続くバッテリーと、15型PixelSenseディスプレイを装備していて、高解像度の写真、動画編集を楽しめます。
メモリーは16GB、SSDは512GB、AMD Radeon RX Vega 11 グラフィックス Microsoft Surface エディションを搭載。グラフィック処理にも強い使用ですので重たい作業も余裕です。
OSはWindows 10 Home、Office Home & Business 2019が付属しており、Windows Hello 顔認証用カメラ、720p HD f2.0カメラなどセキュリティも万全です。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
僕は年間数百台の一般ユーザー向けパソコンの販売、メンテナンス、修理も行なっています。
パソコンのシステム的なことやプログラム的なことなどが詳しいわけではないのですが、日々家庭向けのパソコンユーザーの使い方や、トラブルと向き合っています。
その中で、「最初にパソコン買うときにもっと目的にあったパソコン選んでおけばよかったのに!」と思うことが多くあるのです。
是非、この記事を参考に自身に合ったパソコンを選んで価値のある素敵なパソコンライフを送っていただきたいと願っています。