デジタル一眼カメラのメーカーを選ぶのにニコンとキヤノンどちらを買ったらいいか迷っているお客様が多数来店されます。
僕はニコンのフルサイズカメラやAPS、コンデジなど、自身で使用している機器を初め、キヤノンは5Dmark3や7Dmark2などメーカーさんから貸し出していただき様々なカメラを使用してきました。
現在はニコン「Z6」を初めサブ機の「Z50」で撮影を楽しんでいます。
今回はそんなメーカー選びで迷っている方に選び方について解説してきます。
両社の一眼レフとミラーレスカメラに分けて比較してきたいと思います。
ニコン(ミラーレス)の特徴
三菱グループの一つでもあるニコン。アポロで宇宙に旅だったのもニコンのカメラだったんですよね。
そんなニコンカメラの特徴を紹介します。
機能性が統一されている
ニコンのミラーレスはAPSの「Z50」からフルサイズの「Z7」まで操作性含め、機能性もほぼ統一されているので、サブで2台体制や買い替えでフルサイズに移行したとしても操作に違和感を覚えにくい作りになっています。
フルサイズとAPSの2台体制の相性はニコンが他メーカーに比べて突出しています。
機能面でもキヤノンと比較して劣る部分が少なく優等生です。
ニコンの「Z6」とキヤノンの「EOS R」を比較
製品名 | Canon EOS R | Nikon Z6 |
有効画素数 | 3030万画素 | 2450万画素 |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセル CMOS AF方式 | ハイブリッドAF |
常用ISO感度 | ISO100~40000 | ISO100~51200 |
ボディ内手ブレ補正 | – | 5.0段 |
連続撮影速度(AF固定時) | 最高約8.0コマ/秒 | 最高約12コマ/秒 |
画面 | 3.2型/約210万ドット | 3.0型/約92万ドット |
ファインダー | 0.5型/約369万ドット | 0.5型/約369万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 | 〇 |
Bluetooth搭載 | 〇 | 〇(自動転送) |
ニコンはISO感度、手振れ補正、ファインダー画質、通信機能などキヤノンを上回っています。
特に顔認識しての最高速度「12コマ/秒」の連写スピードは目を見張ります。
機能性で選ぶならニコンがおすすめです。
風景写真が得意
僕は普段ニコン「Z50」を使用していますが、メーカーさんよりお借りしたEOSkiss Mを使用して、全然色が違うことに気がつきました。
ニコンは色合いが濃く、暗い部分が綺麗に表現されます。一方キヤノンは少しだけコントラスト低めな印象がありました。
写真全体にコントラストの強い深みのある表現が得意なニコンのミラーレスは風景や、夜景などを表現するのが上手だなと常々感じています。
僕のお客様の中にも風景や海外で散歩しながら撮影を楽しんでいる方の多くはニコンユーザーが多い印象です。
新時代の幕開け「Zマウント」
ニコンは長らく一眼レフでは「Fマウント」を採用してました。
過去には今は亡きニコン1シリーズでCXマウントを採用してた経緯もあり、今回も新しいマウントが作れないかと試行錯誤の末生まれたドデカマウントが「Zマウント」です。
簡単に言うと高性能なレンズを使用するのに都合がいい規格を作っちゃいましたってことですね。
新しい企画ですが、マウントアダプターを使用して、Fマウントのレンズも使えるので新時代のボディにレトロなレンズを使ってノスタルジック感を楽しんでもいいです。
今までにない高性能なレンズが今後、低価格でも出てくる可能性を示唆してますので非常に期待しちゃいますね。
人の目で見た景色を映し出す
なんの設定もしないでオートで撮った写真は「人の目で見た景色」に近い写真が撮れるのもニコンの特徴です。ミラーレスになってからは様々なデジタルフィルターなどを駆使しで目で見たままではなく、頭でイメージした写真が撮れるようになってきたので、幅広い年齢層におすすめとなっています。
キヤノン(ミラーレス)の特徴
EOSkiss Mが爆発的ヒットを記録したキヤノンはミラーレス市場で大きなシェアを握っていたソニーに一矢報いた感じです。そんなキヤノンのミラーレスカメラの特徴を見ていきましょう。
人物撮影が得意
キヤノンのミラーレスは一眼レフから代々続く人物撮影カメラと言っていいでしょう。スタジオ撮影や結婚式のカメラマンもほとんどがキヤノンを使用しています。
オリンピックやスポーツの世界大会などでもキヤノンのカメラを使っている人が多いですよね。
そんなプロが使うキヤノンのカメラの心臓部をそのままミラーレスで採用しているからこそ人物撮影で威力を発揮するわけですね。
初心者の方でも、キヤノンのミラーレスなら赤ちゃんやお子さん、ご家族と一緒に出かけてすぐ記念撮影も行えるのでキヤノンのカメラを選んで後悔することはないでしょう。
おすすめのキヤノンのミラーレスを比較してみた記事も合わせてどうぞ↓
【初心者向け】EOSkissMは買いなのか?「EOSM100」と比較してみた【ミラーレスカメラの決定版】ユーザーが多い
これは一眼レフのEOSシリーズも合わせて、ということになるのですが、カメラのシェアは圧倒的にキヤノンですね。僕のお店の売れ筋を見てもキヤノン7:ニコン3くらいの割合でキヤノンが売れています。
僕はニコンユーザーなので5:5くらいにはなっちゃいますけどね。
とはいえ、キヤノンの人気はすごいです。ユーザーが多いと使い方を知り合いに聞くことができる確率も高まりますし、お互いのレンズを貸し借りできたり、事業が拡大して、新しいレンズが開発されやすくなったり良いことたくさんあります。
体感だと子育て世代に最もユーザーが多い気がします。学生さんや年配者はニコンを買っていただく確率が高いですね。
鮮やかな写真
キヤノンのカメラは鮮やかさにも特徴があります。ニコンは風景が得意でしたが、キヤノンは物撮りでの鮮やかさが際立ちます。
パッと見綺麗だなーと思う写真はキヤノンで撮ったものが多かったりしますね。プリンターも製造しているメーカーなので写真を撮って現像して、出力するまで一貫して提案できてる。出てくる写真にも統一感があって万人受けしやすいのがキヤノンの特徴と言えます。
ちなみにニコンはエプソンと仲良しなので、ニコンユーザーはエプソンを使うことが多いです。
元々エプソンのプリンターで印刷した写真が好きだった僕にとってはニコンでよかったです。
子供を撮るのに最強なEOSkissシリーズ
一眼レフ時代の頃からキヤノンは”ママ”にカメラを持たせて”子供を撮る”ことに重きを置いてきたメーカーでもあります。やはり一般向けカメラのほとんどが、子供の成長に合わせて選ばれていくという歴史があるのですね。
キヤノンは一眼レフから受け継いでいるこの”ママ”向けカメラとしてEOSkissシリーズをリリースしています。ミラーレスにもこのEOSkissシリーズを投入した甲斐もあり爆発的ヒットとなったワケです。
メーカー選びはレンズ選び
体感としては、一眼カメラを購入した方の半数以上が最初に付属していた「キットレンズ」を使用しているように感じます。
「キットレンズ」だけでは、一眼カメラのいいところの半分くらいしか体験できていないことを考えると、もう少し交換レンズに挑戦してもいいのだろうとは思いますが、この交換レンズもメーカーが統一されている必要があります。
ニコンのミラーレスを買ったらニコンのZマウントレンズ。キヤノンのミラーレスを買ったらキヤノンのMマウントレンズ。
ニコンユーザー「おぉ!キヤノンの短焦点レンズで安くて良さそうなのがある!」
と思っても、ニコンのカメラにキヤノンのレンズを装着することはできません。
ですので、使いたいレンズからカメラを探すということも、大切な要素の一つとも言えます。
ニコンのミラーレスはレンズが少ない
ニコンのミラーレスカメラは新しい規格なため、レンズが少ないです。メーカーの意図としては元々一眼レフで使われていた「Fマウントレンズ」を使用することを今のところ推奨しています。
しかし、今後世の中がミラーレスの流れになっていくには必至。レンズラインナップの拡充に期待したいところです。
もちろん、過去にニコンのカメラを使用していた方であれば、マウントアダプターを利用してニコンのミラーレスZシリーズでの撮影もできるので、買い替えを検討している方はマウントアダプターもセットで検討しましょう。
キヤノンのミラーレスはレンズが豊富
ニコンより早い段階でミラーレスカメラをリリースしていたキヤノンはさすが王者の風格と言いますか、ミラーレスカメラでもレンズのラインナップがすごい。
2万円代から買える単焦点レンズだったり、3万円代の超広角ズームレンズなど、痒いところは孫の手でかけ(いや伝わんない)と言わんばかりのランナップです。
ミラーレスを購入して、レンズも揃えたいと思っている方はキヤノンにを選んでおくとレンズ選びに困りません。
結局どっち?
ニコンのミラーレスのラインナップ(2020年4月現在)
・Z50(APS−C 初中級者向け)
・Z6(フルサイズ 中上級者向け)
・Z7(フルサイズ 上級者向け)
3つのラインナップとなっており、全般的に中級者以上のカメラが多いです。
初めてのミラーレスにZ50を選ぶとするなら、様々なフィルターを用いた楽しい写真が撮れることと、撮った写真がBluetoothで自動的にスマホに転送されるので機械が苦手な女子にもおすすめです。
・すでにニコンの一眼レフを使っていてレンズも多少なり持っている方のステップアップ
・これからカメラを始めたいけど、人と違う写真を簡単にSNSでシェアしたい若者
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・EOSM200(APS-C 初心者向け)
・EOSkissM (APS-C 初心者向け)
・EOSM6(APS-C 中級者向け)
・EOSRP(フルサイズ 中上級者向け)
・EOSR(フルサイズ 上級者向け)
キヤノンのミラーレスは初心者向けが充実しています。レンズのラインナップも含めて初めてミラーレスを買おうと思っている方はほぼ決定打と思っていいでしょう。
上級者向けのラインナップもニコンに比べて豊富ですが、機能面ではニコンがやや有利ですので、ミラーレスではなく一眼レフで検討した方が良さそうです。
・ミラーレスカメラが初めてで簡単に扱えるカメラを探してる。
・子供が生まれるのに合わせて急いで買いたいが失敗したくない。
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ソニーはどうなの?
ソニーはミラーレス界では歴史も長いですしシェアも高いです。最近だとプロのカメラマンにも採用されてきており、その性能も折り紙付きです。
どちらかと言えばニコンのミラーレスと一緒で中級者向けのラインナップが多いので様々なメーカーを使ってきた方が一式売り払ってソニーに鞄替えなんてことも起きています。
特にAF性能や人物、動物に対しての追従性などは素晴らしく、ペットカメラとしては優秀です。
デザインも賛否別れますが、詰まるところカメラはデザインで選ぶものなのでソニーのデザインに引かれたら十分に購入動機になるのではないでしょうか。
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まとめ
結局いつも同じことを言うのですが、カメラ選びは好きなのにしようってことです。
「好きこそ物の上手なれ」
いろいろ調べて好きになったカメラを使うのがいいんです。
もちろんネットだけではシャッターのフィーリングやグリップの感触など感覚で伝わらない部分も多いのですが、その時は是非近くの電気屋さんなどに足を運んで見比べて見てください。
店員さんのいろいろな話を聞くこともできると思いますが、適当に操作して感覚を覚えることが大切です。